術後の正しい過ごし方と注意点

術後ケアについて

札幌の美容外科医が徹底解説|術後の正しい過ごし方と注意点

美容手術の仕上がりは、術後の過ごし方で大きく左右されます。

本記事では、外科専門医・医学博士でもあるMJクリニック札幌院長・村山医師が、一般的な創傷治癒の流れとともに、術後に気を付けるべきポイントをわかりやすく解説いたします。

 

シャワー・お風呂・洗髪・洗顔について

POINT
  • 顔の施術の場合、首から下のシャワーと洗髪は当日から可
  • 顔も表面にキズがない施術の場合は施術部位も当日から洗顔可
  • 表面にキズがある施術の場合は48時間以降から創部のシャワー可
  • 入浴は基本的に1週間後から

術後にシャワー・お風呂・洗髪・洗顔に制限がある理由としては、術後出血と感染の予防のためです。基本的には施術と関係がない部位ならば術当日からぬるめのシャワー浴・洗髪・洗顔が可能です。

まず術後出血についてですが、入浴をすると、血圧があがり術後出血につながるため、術後出血リスクが高い1週間以内はシャワー浴でお願いします。また、熱いシャワーも血流がよくなるため、ぬるめのシャワーでお願いします。1週間以降は術後出血リスクが減りますので、1週間以降は入浴が可能となります。

つづいて、感染についてです。一般的に、創部は約48時間で初期段階の”癒着”が起こります。まだ強固ではありませんが、細菌侵入のリスクは大きく低下するため、創部を濡らすことが可能になります。濡らして大丈夫ということは、48時間以降は創部もシャワーや洗顔の制限がなくなります。創部周辺に汚れや血液が付着しているのも感染リスクをあげてしまうことになります。傷のところは無理のない範囲で、シャワー浴や洗顔をしたほうが好ましいです。注意事項として、強いシャワーを直接あてると傷が開く原因になるので優しい水流で行う必要があります。また、傷を縫っている場合は糸穴から雑菌が入る可能性はまだあるので、不潔にならないように抜糸まで注意する必要があります。

施術をしていない部位のシャワーや洗顔洗髪は当日から可能ですが、顔の手術後は、洗髪時に顔を心臓より下に下げすぎないようお気をつけください。顔の施術後に心臓よりも低い位置に顔を下げると、顔の血流が増えて、後出血(再出血)の危険性が高くなります。

MJクリニック札幌での糸リフトは、翌朝から洗髪可能としております。糸リフトの傷は針穴程度であり、翌朝にはかさぶたで閉鎖されているためです。他院での糸リフトの術後ケアは執刀医にご確認ください。

 

 

抜糸のタイミング

推奨は術後5〜7日目(理想は7日目)です。

48時間で癒着は始まりますが、安定するまでに数日必要です。8日目以降になると糸跡が残る可能性があるため、基本は7日目までの抜糸を推奨します。

見えない部分などで傷跡を気にしないならば、8日目以降での抜糸でも対応可能となります。執刀医にご確認ください。

 

 

傷跡のケアについて

傷は【張力、摩擦、紫外線、乾燥】の状態が加わると汚くなっていく性質があります。

張力や摩擦を避けるためにテープ保護をして、UVケアと保湿をしっかりして過ごしましょう。なお、保湿は術後1週間までは最優先事項ですが、それ以降の優先度は一番低くなります。半年間は傷がきれいにもなる時期であると同時に、汚くなる時期でもあります。傷のケアを怠ると、白く盛り上がった肥厚性瘢痕になったり、茶色い痕になってしまいます。特に最初の1か月間は最終的な傷の仕上がりにとても大事な時期となります。

POINT
  • 引っ張らない
  • こすらない
  • 日焼けしない
  • 保湿を行う

 

 

 

茶テープ保護について

医療用茶テープ(3Mテープ)での保護は、張力・摩擦対策として非常に有効です。このテープは基本的には濡らして大丈夫なものとなります。シャワーや洗顔OKとなった後は気にせずにテープの上からシャワーや洗顔をしてください。1か月は傷を茶色いテープで保護して過ごしましょう。理想は半年間の保護となります。

なお、このテープを毎日張り替えると、張り替える際の刺激で傷が汚くなる危険性があります。茶テープでの創部保護をする場合には自然に剥がれたら張り替えるようにしてください。通常は4〜5日ほどで自然と粘着力が弱くなり剥がれます。

保湿が大事と前述していますが、テープの粘着力は乾燥状態で張ったほうが長持ちします。抜糸以降(7日目以降)は保湿よりも摩擦・張力のケアが優先となります。貼りなおすときは保湿前の乾燥状態で貼付してください。

弛緩した状態で貼るのがコツ

緊張状態で貼っても意味がありません。例えで言うと、二の腕の脂肪吸引後の肘の傷について、肘を曲げた状態は緊張状態です。その状態でテープを貼っても、傷が緊張した状態で固定されてしまいます。ゆるみすぎている状態でも皮膚がよれてうまく貼れないのですが、ほどよく肘が伸展されて傷に緊張がかかっていない状態をテープで固定するイメージとなります。詳細は施術したクリニックで説明を受けていただけますと幸いです。

 

 

腫れの経過

腫れについては、術翌日・2日目・3日目がピークになります。

4日目には腫れの悪化が止まり、徐々に腫れがひいてきます。4日目にさらに悪化する場合は感染などのトラブルが起きている可能性があります。執刀医に連絡をしましょう。

腫れのひくスピードは施術や術者の技術によって異なりますが、どの施術であっても3週間でほぼ腫れが改善します。

4日目以降に腫れがひかない場合、原因は感染や術後出血の可能性があります。目元と首まわりは、腫れによって後遺症の危険性が特に高い部位になりますので、「通常経過ではなさそう」と疑わしい場合にはただちに執刀医へご連絡ください。

 

 

拘縮について

拘縮とは、治癒過程で硬くなり膨らむ変化をすることです。1か月頃がピークで、半年ほどで落ち着いていきます。半年以降で硬さを感じる場合には、さらに改善する見込みがあります。

特に脂肪吸引などで目立ちますが、人体の治癒過程で起こる反応なので、すべての施術で大なり小なり拘縮反応は起こっています。腫れと拘縮による膨らむ変化が入れ替わるように起こり、腫れが数か月続いたと感じることがあります。

 

 

内出血について

内出血は出ない場合もありますが、出てしまった場合、基本的には以下のような経過となります。

軽度の場合:7日目くらいまで黄色→14日ほどで消失

重度の場合:7日目くらいまで紫色→14日ほどで黄色→21日ほどで消失

 

 

術後出血について

術後に血圧があがったりするのをきっかけに出血をすることがあります。それを後出血・再出血とよびます。

出血する危険性がある期間としては2週間程となります。特に最初の1週間は神経質に過ごす必要があります。念のため血圧があがる行動は2週間お控えください。

血圧が上がる行動
  • 運動
  • 飲酒
  • 入浴
  • くしゃみ
  • 強いいきみ
  • 強い感情ストレス(イライラする)

 

 

感染について

万が一感染が起きたときには早めの対応がとても大事になります。

極早期から治療介入できた場合、抗生剤の内服のみで改善することもあります。しかし、ある程度症状が進行してからの場合、針を刺して膿を出したり洗浄したりなどの処置が追加になったり、感染が落ち着いたあとも後遺症が残る危険性が高くなります。

感染の兆候ですが、4日目以降の【腫れ、痛み、熱感、赤み】などの悪化です。それらの兆候を認めた場合にはクリニックへただちに連絡しましょう。目元ですと目ヤニも指標となります。
なお、3日目までは通常経過でも腫れ、痛み、熱感、赤みは悪化しうるため、判断しかねる指標となります。しかし、程度が強い場合にはクリニックへ念のため連絡することをおすすめいたします。

術後早期は「心配しすぎ」くらいのほうが安全です。不安に思うことがあれば施術をしたクリニックにすぐに問い合わせましょう。

 

 

コンタクトレンズについて

二重やクマ治療、目頭切開・目尻切開など目回りの施術に関わる話になります。そのほかの治療の場合、関連性はありませんので翌日からコンタクトレンズ使用可能です。

二重・クマ治療の場合

コンタクトレンズと接触する眼瞼結膜という部分に傷ができているために気を付けなければいけません。術後7日間は創部安静のためにもコンタクトレンズを使用しないことが推奨されます。

眼瞼結膜は粘膜であり、皮膚よりも早期にキズの癒着が完成しますので、MJクリニック札幌ではどうしてもの事情がある場合には48時間以降は必要最小限の時間でコンタクトレンズの使用再開OKとしています。1週間以内に使用再開して何かしらの症状の悪化があるようであれば使用を中止する必要があります。症状の悪化があるにも関わらず無理してコンタクトレンズの使用をした場合の合併症や後遺症の責任は負いかねますので、お気を付けください。

目頭切開・目尻切開の場合

傷とコンタクトレンズは接触しませんので理論的には翌日から装着していただけますが、可能であれば1週間以降からの再開でお願いします。目頭切開は、付け外しのときに傷に引っ張る力がかかると傷が目立つ仕上がりになるリスクが高くなります。抜糸までは、眼鏡のほうが傷も隠せますので、1週間は眼鏡での生活をお願いします。それ以降も、傷に力がかからないように気を付けての着脱をお願いします。

目尻切開の場合、傷のケアという面からは装着は問題ないですが、目頭切開と同様に、眼鏡のほうが縫合糸も隠せますので、1週間は眼鏡での生活をお願いします。

 

 

喫煙について

術前に関して

組織への酸素運搬能の観点では、術前48時間以上の禁煙が推奨されます。感染の観点からは術前30日前からの禁煙が推奨されます。喀痰などの軌道分泌物による気道閉塞を心配するならば、術前3か月間の禁煙が推奨となります。(稲田英一:麻酔への知的アプローチ.第6版,日本医事新報社,2006424

術後に関して

喫煙をすることで血流の低下が起こり、治りが遅くなったり、感染の危険性が高くなります。脂肪注入では、定着率の低下の原因となります。術後1か月は禁煙しましょう。(理想は6ヶ月)感染などが起きてしまい後遺症が残った場合、悔いても悔いきれないです。

興味がある方は、麻酔科学会監修の禁煙プラクティカルガイドをご参照ください

https://anesth.or.jp/files/pdf/kinen-practical-guide_20210928.pdf

 

 

飲酒について

飲酒について、問題となるのは腫れと後出血になります。術後2週間は出血の危険性があり、術後2週間の禁酒が推奨となります。

どうしても禁酒が難しい方には術後1週間の制限と説明しています。さいわい私の経験上では術後1週間のみの禁酒でトラブルの経験はないですが、可能であれば術後2週間は禁酒をしましょう。

 

 

運動について

術後出血の項と重複しますが、2週間以内は後出血の危険性が高い時期となるため、2週間以降から再開をお願いいたします。まずは軽い強度から初めて、痛みや腫れなどが問題ないことを確認しながら徐々に強度をあげてください。

 

 

お化粧について

POINT
  • 傷なし部位:直後から可能
  • 縫合なしの傷:48時間後から
  • 縫合あり:抜糸後から※

※抜糸後の糸穴にファンデーションなどが入り込むと点々の傷跡が残る原因となりうるため、抜糸後プラス3日目くらいまではなるべく我慢しましょう。

傷は引っ張ったり擦ったりすると仕上がりが悪くなってしまいます。化粧をすると、何もしないよりは傷の安静が保てなくなり仕上がりに悪影響があるため、可能であれば1か月ほど化粧は控えることをおすすめいたします。

 

 

マッサージについて

フェイスマッサージやヘッドマッサージに関して、1か月以降でしたら施術への影響は少ないです。美容目的で行っている場合ですが、医学的にはリラクゼーション以外の効果は期待できないため、可能であれば半年ほど我慢することを推奨いたします。

1か月以降で再開する場合には、半年ほどは施術した部位の周辺のマッサージは避けていただく、もしくは優しくしていただくことをおすすめいたします。

 

 

髪染めについて

髪染めに関して、当院で取り扱いのある施術で問題となるのは頭皮に傷がある糸リフトのみになります。糸リフトの傷は針穴なので翌日にはふさがっていますが、髪染めの成分は刺激が強いため、念のため2週間以降が推奨となります。

他の施術は特に関連性ありませんので翌日から可能ですが、あえて施術の翌日にするメリットもないので、可能ならば術前に髪染めをしてきましょう

 

 

まつげエクステ・まつげパーマ

POINT
  • 二重埋没法:1週間後から可能
  • クマ治療系・目元切開系:1ヶ月以降推奨

埋没法では1週間後から可能です。術後早期にまつげエクステ・パーマをしたとき、その後まぶたにトラブルがあったときに施術による影響かまつげエクステやパーマのせいなのか、原因がわからなくなってしまいます。表側からの埋没方法でも48時間でキズは治っていますが、念のため1週間以降とさせていただいております。

目元切開系治療(二重切開) や下瞼(クマ治療など)の治療の場合、処置の際に創部をなるべく触れないほうが好ましいので念のため1か月以降が推奨となります。

エクステは施術の際に邪魔になり感染の原因になり得ます。取ってくる必要まではありませんが、あえて手術の前につけてくることは避けるようお願いします。

 

 

色素沈着について

色素沈着をおこさないために、【摩擦回避・UVケア・保湿】が大切です。

施術によってはマッサージをする必要があり摩擦をすることとなってしまいます。施術部位の状態によって優先順位を考慮する必要がありますので、皮膚のトラブルが起きている場合は術者に確認しましょう。

色素沈着は、術後は炎症後色素沈着という呼び方となります。術後の炎症後色素沈着は一時的なもので改善する見込みがありますが、ケアを間違えると恒久的な色素沈着になってしまいます。半年間はケアによる改善が見込める時期になるので、摩擦を避ける、UVケアをする、保湿することを心がけてください。

 

 

神経のダメージについて

神経のダメージに関して、1か月1cmのペースで回復します。

引っ張ったり擦れたりの刺激によるダメージは基本的に回復します。神経は感覚をつかさどる知覚神経と、筋肉を動かす運動神経に分かれます。感覚の鈍さはあるけど少しはわかる状態や、動きが悪いけど少しは動く状態の場合、回復する可能性が高いです。

施術部位の範囲や長さによりますが、多くの場合、6か月でほぼ回復します。回復を促す治療としてステロイド内服やプレガバリン内服やビタミンB12製剤内服があります。症状が強く気になる場合には執刀医に相談をしてください。

切断するようなダメージの場合、回復しません。感覚が皆無だったり、全く動かない状態の場合、6か月以降も残存する神経障害は治らない可能性が高いです。

すべての美容施術に大なり小なり神経障害リスクがあります。リスクを理解のうえで施術を受けるようにこころがけましょう。

 

 

眼鏡の装着について

当院で取り扱いのある施術で問題となるのはプロテーゼ隆鼻術のみとなります。間違った眼鏡の着脱方法をするとプロテーゼがずれて鼻筋が曲がる原因になりますのでご注意ください。

基本的には、強く押し込まないように、両手で左右均等に力がかかるように着脱をする分には直後からでも大きな問題とはなりません。不安な方は、1週間はギプス装着を継続してギプスの上から眼鏡を着用してください。

 

 

他の美容治療の再開について

基本的には施術するクリニックにご確認いただければと思いますが、術後のレーザー治療は腫れや内出血の色味が完全になくなる2か月以降であれば問題ありません。また別途こちらはコラム記事作成させていただきます。

 

最後に

病院や医師から説明されていない「自己流のケア」は合併症や後遺症の原因になります。SNSや他院の情報は必ず執刀医に確認してから行いましょう。自己流のケアが原因の合併症や後遺症は、自己責任となりますのでご注意ください。

美容医療は「手術」だけでなく、「術後管理」までが治療です。正しい知識で、より美しく安全な回復を目指しましょう。

MJクリニック札幌_村山健二医師監修

監修:MJクリニック札幌院長 村山健二医師

外科専門医/医学博士/クマ治療症例数2000件以上/医師歴16年以上/元湘南美容クリニック院長歴任

 

関連記事

術前の注意事項はこちらをご参照ください

https://mjc-sapporo.com/column/before_surgery

 

クマ治療後に特化した術後の過ごし方の記事はこちらをご参照ください

【クマ治療】術後ケアについて