クマ取り後の合併症「複視」について

札幌でクマ取りを検討中の方へ|術後合併症「複視」の原因・見分け方・対処法を専門医が解説

クマ取り後に起こりうる「複視(二重に見える症状)」について、原因・リスク・対処法を詳しく解説。麻酔・筋肉制限・損傷などの違いと受診の目安を、札幌の美容外科医がわかりやすく説明します。

MJクリニック札幌_村山健二医師監修

監修:MJクリニック札幌院長 村山健二医師

外科専門医/医学博士/クマ治療症例数2000件以上/医師歴15年以上/元湘南美容クリニック院長歴任

 

 

クマ取り術後の合併症「複視」とは?

近年、SNSなどで時折話題になる「クマ取り術後の複視」について解説いたします。

複視とは、1つの物が二重、あるいは三重に見える症状のことを指します。

この複視には、片眼で見ると正常に戻る「両眼性複視」と、片眼でも二重に見える「単眼性複視」がありますが、クマ治療後に問題となるのは主に両眼性複視です。

 

なぜクマ取りで複視が起こるのか?

複視の理由は、目の動きを担う外眼筋のひとつである「下斜筋」の位置関係にあります。

下斜筋の走行は、下まぶたの脂肪(眼窩脂肪)の内側と中央の間のため、手術操作の影響を受けやすい部位です。その結果、筋肉の動きに異常が生じ、複視として症状が現れることがあります。

複視の原因としては、①麻酔の影響、②筋肉の動きの制限、③筋肉の損傷といった要素が関係します。

 

①麻酔による複視

キシロカイン(リドカイン)という局所麻酔薬をクマ治療では一般的に使用します。この麻酔は半減期が約2時間と短く、半日ほどで効果は消失します。

そのため、麻酔による複視は一時的なものとして起こり、通常は翌朝には改善します。もし翌日以降も症状が残る場合には、麻酔以外の原因を考える必要があります。

 

②筋肉の動きの制限による複視

下斜筋の動きが制限されることで、裏ハムラ法などの施術では複視が生じることがあります。眼窩脂肪の牽引方向や、脂肪を包む組織が結紮に巻き込まれることで、下斜筋に対して過度な牽引がかかることが主な原因です。

この場合は、原因となっている運動制限を解除することが必要になります。対応のタイミングが非常に重要で、理想的には手術当日から1週間以内とされています。ただし当日は麻酔の影響も考えられるため、翌日まで経過を見ることが一般的です。

それ以降になると、1か月目をピークに治癒過程で組織が硬くなり再手術による副損傷などのリスクが高くなってしまいます。

6か月以降になると治癒過程に伴う硬さは改善しますが、下斜筋の動きが制限された状態に中途半端に順応してしまうことで、運動制限解除後も違うタイプの複視が残る可能性があります。

生活に支障がないレベルの複視ならば経過観察をするのも選択肢ですが、支障を感じる場合にはただちに執刀医にご連絡ください。

 

③筋肉の損傷による複視

手術中に下斜筋を損傷することによっても、複視が生じることがあります。

裏ハムラ施術後の複視の場合は上記②が原因のこともあるのですが、脱脂術のみの場合は手術操作によって下斜筋の可動域制限は起こらないため筋肉の損傷が原因の可能性が高くなります。

脱脂術にせよ裏ハムラにせよ、初回手術であれば十分な経験を持つ医師が行う場合、このような損傷は通常起こりにくいとされています。そのため、医師の経験年数や症例数、得意とする施術であるかを事前に確認することが重要です。

一方で、2回目以降の手術では組織の瘢痕化などにより解剖が分かりにくくなり、損傷のリスクは高まります。再手術を検討する際には、初回手術以上に慎重な医師選びが求められます。

筋肉損傷による複視は、基本的には経過観察となることが多く、数か月で改善するケースもありますが、後遺症として残る可能性も否定できません。後遺症が残る場合には、後遺症の程度によって事前にリスクの説明があったとしても賠償責任が医師側に発生する可能性もあります。気になる症状がある場合には、施術を受けたクリニックへ相談することをおすすめします。

 

 

脱脂と裏ハムラどちらが高リスク?

複視リスクについて、脱脂と裏ハムラのどちらが高いかについては、一概には言えません。

両者を比較すると、脱脂手術は新人美容外科医が1年目の最初にする手術の位置づけであることが多く、その影響でトラブルの話を耳にする機会が多い傾向があります。一方で裏ハムラは難易度の高い手術であることから、「下斜筋損傷をしそう」というイメージを持たれがちですが、裏ハムラの施術が可能な医師であれば解剖学的理解も深く下斜筋損傷は起こさないというのが一昔前までの考えでした。

しかし近年では裏ハムラ人気の高まりに伴い、経験が十分でない医師が施術を行うケースも見られるようになりました。そのため、術式そのものよりも「誰が行うか」がリスクを左右します。施術を受ける際には医師の経歴をしっかり確認してから行うことが重要な要素となります。

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自分でできる複視のチェック方法

斜め方向の視線に下斜筋は関与する筋肉です。そのため、上下や左右の動きだけでは異常に気づけないことがあります。術後に不安を感じる場合には、斜め上や斜め下を見た際に物が二重に見えないかを確認することが一つの目安になります。

 

 

まとめ

クマ取り後の複視は頻度としては高くありませんが、正しく理解しておくべき合併症のひとつです。多くの場合は一時的なものである一方、早期対応が重要となるケースもあります。

違和感を覚えた場合には自己判断で様子を見るのではなく、適切なタイミングで医師に相談することが大切です。そして何より、経験豊富な医師を選ぶことが、こうしたリスクを最小限に抑えるための最も重要なポイントとなります。

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